Frantière official blog
慌ただしい日常を忘れてしまいそうですね
敷地内に川が流れていて、とてもフォトジェニック!
ベギン会修道院は、中世の建物がそのまま残されていることにも価値がありますが、なにより、女性のために、女性によって運営されていたことに歴史的意義があります。
西洋中世は、女性が1人で経済的に社会的に自立して生きていくのは、現代の私たちが想像できないほど難しかったと言われています。
それでも現代と同じように、独身のまま生活をしたい女性、夫や父親との問題を抱える女性など、様々な事情により、男性の庇護を受けずに生活の基盤を持ちたいという考え方は存在していました。
ベギン会は、このような女性が自立して暮らしていくための共同体をベルギー各地に作りました。
「修道院」と呼ばれていますが、共同体に属する全ての人が修道女だったわけではなく、様々な職業で生計を立てていました。
最近、日本でもジェンダー問題が取り上げられる機会が増えました。
女性がひとりでは自立が難しい社会の問題は、700年以上経った今も、根本的には解決していないと思います。
でも、女性が自分らしく生きるために作られた共同体が、これまでたくさんの人々によって受け継がれてきたことはとても意義のあることだと思います。
ところで、ルーヴァンのベギン会修道院は、建物の保存のために、現在は近隣の大学の教員が住むことができるのだそうです。
建物を活用することで保存するというのは、面白い発想ですよね。
木造建築が多い日本では珍しい事例だと思います。
中世の修道院で暮らす、わたしはすごく憧れます!みなさんはいかがですか?
丁寧に手入れがされている集合住宅。住んでいる人の迷惑にならないように観光するのがマナーです。
次回は‥
「ベギン会修道院」は、ベルギーではBéguinageもしくはBegijnhof(べギンホフ)と呼ばれています。
Béguinageがフランス語、Begijnhofがフラマン語です。
フラマン語ってどんな言語?フラマン語とフランス語、どちらを使っている人が多いの??
次回は、美しい中世都市Louvain(フラマン語だとLeuven)と、ベルギーの言語事情をご紹介したいと思います。